たべちゃいたいほど、恋してる。
ふにゃりと顔を崩しはにかむと優衣はすっと龍之介の手に自らの手を重ねる。
一瞬驚いたように目を見開いた龍之介だったが、一度小さく微笑むとその指を絡めるようにしっかりと繋いでくれた。
「…このままサボって飯にすっか」
自然な流れで指先に唇を寄せながらそう言う龍之介に小さく返したのは了承の返事。
俯いてしまった優衣の顔は見えないが、その耳は熱に染まり赤く、赤く。
(ど、どどどどうしよう…ドキドキが…)
繋がれた指先。
隣に感じる体温。
その全てが優衣の心拍数を上昇させて。
落ち着かない胸元をきつく握りながら思うのだ。
("好き"ってわかんない、けど…このドキドキが"好き"だったらいいのに)