たべちゃいたいほど、恋してる。
《兎の笑顔は凶器でした》*狼side*
「旨いか?」
「うん、おいひぃ〜」
結局、体育の残り時間をさぼった二人がやってきたのは、既に定番になりつつある校舎の屋上。
目の前でもぐもぐと美味しそうに弁当(龍之介作)を頬張る兎を見て癒されながら、龍之介は此処迄の経緯を思い出していた。
そもそものきっかけは、謹慎明け早々の登校中にかかってきた健からの電話。
"ちょっと噂がたっちゃってさ〜うーがどっか行っちゃったんだよね"
突如かかってきた電話にて何の前触れもなく言われた台詞。
しかも、言った本人は楽しげに声を弾ませていて。
カンに触るその声に顔を顰めながらも黙って話を聞いていた龍之介。