たべちゃいたいほど、恋してる。




要は遠回しに探してこい、ということらしかった。


何で俺が…と内心溜息を吐いた龍之介だったが電話口で"龍にしたらあながち悪い噂じゃないと思うんだけど"と言われ何故か断りきれず。

結局優衣を探すために教室から足を遠ざけ校内を歩きだしたのだ。




(…ものの数分で見つかったんだけどな)




歩き始めて数分。


大して労力を使うことなく非常階段の上に見つけた優衣の姿。


近づいてみれば、始めて会った日のように涙を流していて。

それが無性に歯痒かった龍之介は、その手を引いて立ち上がった。



向かった先は自らがよく利用する屋上。




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