たべちゃいたいほど、恋してる。
「あ…そういえば…」
龍之介が一人そんな成り行きを思い出していると、目の前に座って唐揚げを食べていた優衣がふと思い出したように口を開いた。
どうやら口に入っていたものは飲み込んだらしい。
その声で意識を現実に引き戻した龍之介は顔を上げ優衣を見つめる。
「龍、くん…入学式の日、髪の毛銀色だったって本当?」
「ん?…あぁ、そうだったな」
なっちゃんから聞いたんだーと言いながら、コテンと顔を横に傾げる優衣。
何とも愛らしいその仕草についつい触れたくなる手。
それを理性で押し殺しながら、龍之介は昔を思い出すように視線を空に向けてから頷いた。