たべちゃいたいほど、恋してる。
前髪を掻き上げ根元を見せれば、そこには毛先とはまったく異なる色をした髪が生えていて。
優衣は銀色に輝くそれを珍しそうにまじまじと眺めている。
(まぁ…確かに珍しいけど)
イタリア、というかヨーロッパでもそうそうお目にかかれないであろう銀の髪。
他とは違うこの髪が龍之介はあまり好きではない。
いつも何かと文句をつけられるのもこの髪だ(あと目つき)。
しかし、優衣があまりに楽しそうにその髪を見つめるものだから。
何となく龍之介も得した気分になっていた。
(この色も、悪いことばっかじゃねぇのかもな)
「あ…この傷…」