たべちゃいたいほど、恋してる。
またか…と思いつつ素通りしようとしたところ、後ろから勢い良く殴られたのだ。
咄嗟に受け身の体勢にはいった龍之介。
それでもまた謹慎になるのが嫌だった龍之介は、勘弁してくれと内心溜息を吐きながら防戦のみを繰り返していた。
その結果が顔に出来た傷である。
「……いたい?」
「全然」
怪我をしている龍之介本人よりも痛そうに顔を歪めている優衣。
今にも泣きだしてしまいそうな優衣に、龍之介は心配いらないと笑った。
「俺より優衣は?体…平気か?」
自分の怪我よりも、ずっと優衣の怪我が気になっていた龍之介。
直接は見ていないが、そう簡単に癒えそうにはないであろう痣。
龍之介はそっと服の上から優衣の腹部を撫でる。