たべちゃいたいほど、恋してる。
「うん!大丈夫っ!」
龍之介の手が触れた瞬間、小さく体を揺らした優衣だったが特に痛がる様子はない。
触れられた恐怖はあったようだが、恐らく痛みは引いているのだろう。
だが、自分の目で確かめられないぶん龍之介の頭は納得出来なくて。
龍之介は普段、恐怖の象徴として恐れられている目を心配そうに細めた。
「痛くなったらすぐ言えよ?」
優衣の頭を撫でながら念を押すようにそう言えば、優衣は擽ったそうに体を竦めて、ふにゃんと微笑む。
そんな優衣の表情に花が咲いたように、なんてベタな比喩表現が龍之介の頭をよぎった。
それと同時にチリッと微かに痛んだ心臓の奥。
(あー…俺、意外と既に捕まってる感じか…?)