たべちゃいたいほど、恋してる。
とりあえずこればっかりは急ぐことではないと龍之介は静かに息を吐いた。
(拒まれたらへこむしな)
今はもう少しこのままの距離でいい。
そう自信に言い聞かせると、ゆっくりとその手を伸ばしそっと優衣の小さな手のひらを取る。
「優衣、おいで」
その手を引いて自分の方へ引き寄せると、龍之介は胡坐をかいていた自分の足の上に優衣の体を後ろ向きに座らせた。
「りゅ、龍くん?」
「あ?」
「…あぅ…どうし、たの…?」
うっすら涙を浮かべ"恥ずかしいよぉ…"と言いながら龍之介の膝の上で小さくなっている優衣。
そんな優衣の頭を撫でながら龍之介は、まだまだ宙に浮いたまま定まらない気持ちに目を閉じる。