たべちゃいたいほど、恋してる。




(…とか言いつつ、堕ちそうなんだけど。どうすっかな)




優衣はまだこの感情の名前をしらない。

だからこそ龍之介だけが先走るわけにはいかなかった。




「優衣…今週の日曜暇?」




龍之介は表に出てきそうな本能を理性でぐっと押し込め、優衣の頭に顎を乗せる。


そしてふわりと頬を触りながら紡いだのは初めてのデートの誘い。




「…日曜日?」


「おう。デートでも行こうぜ」




突然紡がれた龍之介の言葉に驚いたのか、初め目をぱちくりさせていた優衣だが、意味を理解するや顔を真っ赤に染めコクコクと頷き始めた。


瞳には僅かに浮かぶ期待の色。




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