たべちゃいたいほど、恋してる。




(か、かっこいい…!)




それもそのはず。

優衣の目の前には、いつもの制服姿とは違う私服姿の龍之介がいるのだ。


以前一度だけ私服の龍之介に会ったことがあるが、こうもまじまじと見るのは初めてのこと。


髪はいつものようにセットされているものの、ボトムスは色の濃いジーンズに赤と白のスニーカー。

トップスは黒いタンクトップの上に胸元が開いた丈の長い薄手の白セーターを着ていて、腕には鎖型のシルバーブレスレットが光っている。


そしてそのどれもが龍之介のためにあるようだった。


優衣は見慣れないその姿を無意識に凝視していたようで。




「…あんま見んな。さすがに照れっから」




その視線に気付いた龍之介は、苦笑しながら優衣の頭を撫でる。




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