たべちゃいたいほど、恋してる。




「いい?…よく聞きなさい」




大上龍之介とは今後一切かかわっちゃ駄目よ。

そう一言加えて夏希は龍之介の"噂"を話始めた。




──────…



大上龍之介の伝説は入学式から始まったの。

入学当初からずば抜けて身長が高かったんだけど、何より目を引いたのは綺麗な顔立ちと銀色の髪だった。



──────…



「銀色?今は黒だよね?」


「話のこしを折らないで。最後まで聞きなさい」


「はい…」



──────…



とにかく、その銀髪のせいで教師からも先輩からも目を付けられてたわけ。



『おい!お前一年だよな。なんだよその髪』

『……』

『…シカトかよっ…!生意気な奴!』


ガッ


喧嘩の理由はよくわかんないんだけど、入学式が終わってすぐに上級生と喧嘩して病院沙汰をおこしたの。




『おい大上!これはどういうことだ!?』

『どうもこうも見たとおりっすけど』

『お前!上級生に手をあげるとは何事だ!処分ものだぞ!?』

『………』




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