たべちゃいたいほど、恋してる。
だが、流石の優衣でもこれが恋人同士でするものだという認識はあるらしい。
それが嬉しいやら恥ずかしいやら。
「はぅぁぅ…」
とりあえず意味のわからない鳴き声のような言葉を発している優衣の耳に龍之介の笑った声が聞こえた。
その声に更に頬の熱が増したのは言うまでもない。
「しっかし、混んでんなぁ…」
手を繋ぎ園内を歩いていく二人。
何といっても今日は休日。
あちこち人で溢れかえり、どのアトラクションに乗るのも時間が掛かりそうな雰囲気である。
待ち時間すら、恋人たちには至福の時なのかもしれないが。
そんななか、他の乗り物に比べ格段に列の少ない乗り物が優衣の目に留まった。