たべちゃいたいほど、恋してる。
「あ、ああああの…おおおお客様…っ」
「ああ?…乗れんのか乗れねぇのかどっちなんだよ」
「のっ乗れます!!バッチリもう全然余裕で問題なく乗っていただけますー!!」
龍之介の迫力ある凄み(本人にその気はない)に係員の慌てる声が聞こえた。
あからさまに震えているその声。
優衣の位置から係員の表情は見えないが、恐らく顔面蒼白になっているのだろう。
優衣がそんなことをぼやーっと考えているうちに話がまとまったのか(無理矢理丸め込んだともいう)再び龍之介の足が動き出した。
そして
ふわっ
「ひゃっ」
突然体が浮いたかと思えば、そのままゆっくり降ろされたのはお伽話のような空間の中。
先程、優衣が眺めていた白馬の上だった。