たべちゃいたいほど、恋してる。
「ったく…遠慮とかしてんな。乗りてぇなら言えよ」
「だ、だってぇ…」
「だってじゃねぇ。優衣が乗りてぇのに俺が嫌だとか言うわけねぇだろ。そんな心狭くねぇよ」
呆れたように溜息を吐く龍之介にシュン…と体を小さくしてうなだれる優衣。
(あぅ…怒られちゃった…)
心の中で激しく落ち込んだ優衣は泣きそうな表情で俯いたまま視線を地面に彷徨わせる。
すると、そんな優衣の小さな体をふと大きな影が覆った。
おずおずと顔を上げれば視線の先には困ったように笑う龍之介がいて。
その長い指がそっと優衣の頬に触れる。
「優衣、怒ってねぇから。だから下向いてんなよ。可愛い顔俺に見せねぇつもりか?」