たべちゃいたいほど、恋してる。
本人は掠り傷程度だったし、とりあえず死人もなし。
先輩の怪我も見た目より酷くなかったから退学にはならなかったらしいけど、一週間近く停学くらって。
次に学校に来たときには髪、黒に直してたんだって。
それから大上は喧嘩とか女の噂が絶えないのよ。
校内外関係なく暴れ回ってるって噂。
──────…
「へぇ…」
よくそんなに知ってるねぇ…と優衣は感心したように頷く。
「だから!とにかくかかわっちゃ駄目だからね!?」
うーちゃんが危ないんだから!と詰め寄ってくる夏希に苦笑しか返せない優衣。
「まぁまぁ高野。うーも馬鹿じゃないから大丈夫だって」
「でも」
「それより、お前この後先生に呼ばれてんだろ?」
健が夏希を宥めながらそう言えば、思い出した用事に慌ただしく帰り支度を始める夏希。
どうやら本当に担任に呼ばれていたらしい。
「とにかく!絶対駄目だからね!」