たべちゃいたいほど、恋してる。




龍之介もその辺にあった馬へ適当に腰をおろす。



その馬が白い馬だったせいだろうか。



不良と白馬。


かなりミスマッチなその光景に周囲からはこそこそて何かを言う声が聞こえる。

だが、優衣にそんなものは関係ない。




(…は、白馬の王子様だぁ…)




優衣にはそんな龍之介の姿が素敵な王子様に見えるのだから。


確かに日本人とは少し違う西洋の顔立ちをした龍之介は黙っていれば格好良い。

それに加え、優衣に対してだけは嘘のように優しい龍之介。


しかし、纏う空気や他者を見る目付きは誰が見ても悪人面である。




(…いっつも優しいし、キラキラしてるもん。龍くんは王子様なんだね、きっと!)




つまり恋は盲目だというわけで。




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