たべちゃいたいほど、恋してる。




その間、決して"何があった"とは聞かなかった龍之介。


恐らく、本能的にその言葉が優衣を泣かせてしまうと感じていたのだろう。


そんな気遣いに感謝しながらも先程見た光景のショックのせいか、嫌がることなく抱き締めてくれる龍之介についつい甘えたくなる心が出てきた優衣。

しがみつくように抱きついて龍之介の胸元へ頬擦りする。




「………」


「……ふにぃ……」




優衣の頬が触れた瞬間、ほんの一瞬ビクリと揺れた龍之介の体。

しかし、変わらず髪を撫でてくれている龍之介に優衣はもっともっとと強請りながら甘えだす。


その行為に下心など一切ない。

もはや完全に人間に懐いた小動物の行為だ。




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