たべちゃいたいほど、恋してる。
「……あー…優衣さん?」
「……あぃ…」
優衣に声をかける龍之介の若干強張った声色。
それに気付いているのかいないのか、名前を呼ばれた優衣は素直に龍之介の方へ顔を向ける。
「…もう涙止まったか?したら帰るか?」
コテンと首を傾げながら龍之介の言葉を待っている優衣を直視できないのか、龍之介はうろうろと視線を彷徨わせ優衣に問い掛けた。
だが、何故かその質問に答えようとはせず黙り込んでしまった優衣。
そして
「……まだ止まってない…」
そう一言ポツリと呟いて、優衣は隠れるように龍之介の胸元へ顔を埋める。
そんな優衣の態度を不思議に思った龍之介は首を傾げると優衣の両頬を掴み、ぐいっと自分の方へ顔を向けさせた。