たべちゃいたいほど、恋してる。
辿り着いたそれが自分にとって大切な何かを埋めてくれるような、そんな存在であるようにと仄かな期待を込めて。
優衣は何度も何度も名前を呼んでは、龍之介の背中へ回した手に力をこめた。
「……じゃあ優衣、俺ん家帰ろう」
再び目に涙が溜まり始めた優衣。
龍之介はそんな優衣の目尻を優しく撫で涙を拭いながらそう言うと、そっと背中にしがみついていた優衣の手を離し、来た時のように互いの手を結ぶ。
そして、絡み合った優衣の細く白い指先に唇を落とした。
「龍くんの…お家…?」