たべちゃいたいほど、恋してる。
「んー!!おいひぃ…っ!」
予想以上の美味しさに、優衣の頬はふわぁ〜と幸せそうに緩んだ。
(今なら空だって飛べそうな気がする。それくらい美味しい)
その辺のケーキ屋より格段に美味しいそれに優衣の顔は破顔状態だが、構わず美味しそうにデザートを頬張った。
そして思う。
「…大上くん、怖くないのにな…」
(確かに見た目は…うん、ちょっと怖いよね。背、すんごい高いし。目つきもよくはないし。でも…)
「音楽室まで送ってくれた、よ…?」
(本当に悪い人なら送ってくれないでしょ?ほっとくほうが普通だと思うし)
思い出すのは、怖さなんかではなくあの大きな背中。
(大上くんはちゃんと送ってくれて。怖いなら掴んどけって…言ってくれて…)