たべちゃいたいほど、恋してる。
(か、かかかか可愛いって…えぇ…!?)
遊園地に行くときも言われたはずの言葉。
しかし、何故か今はあの時とはまったく違う響きに聞こえたそれ。
あのときよりも、ずっと甘く。ずっと優しく。
それは優衣の心を激しく揺らした。
手を引かれるがままに大人しく龍之介の後ろに続いて歩きだした優衣だったが、その心臓はありえないほどドキドキと音を奏でていて。
(…はぅ…ドキドキしすぎて倒れちゃいそう…)
深紅の薔薇が花を咲かせたように赤く染まった頬とおさまらない鼓動にぎゅっと龍之介の手を握る手に力が入る優衣。
そんな優衣の頭の上の方でまた龍之介の笑った声が聞こえた気がした。