たべちゃいたいほど、恋してる。
支えてくれた手に、触れた髪に。
ドキドキと胸が苦しくなる。
(おろすときも、すっごく丁寧にゆっくりおろしてくれた。それに!こんなに美味しいデザートもくれた!!やっぱり…)
「やっぱり、怖くなんてない」
最後の一口を食べ終えて優衣の口から出たのはその一言。
(何故か嫌だった。彼が悪く言われることが。それが何故だかはわからないけど。それでもやっぱり)
「怖いわけないよ」
(だって笑ってくれたもん。あの顔は健くんと同じ…それ以上に優しかったもん。…眩しかった、もん…)
だから怖いはずなんてない、と優衣は意気込んで頷く。
その表情はどこか晴れ晴れとしていて。
食べおわった容器を片付けながら、優衣は頬を赤く染めた。
「…また、お話できないかな…」
とりあえず、この容器はもったいないから持って帰って洗うことにします。