たべちゃいたいほど、恋してる。
龍之介の父はまたにこりと笑うとぼんやりしている優衣の体をひょいと立ち上がらせ、そのまま今来た女性に引き渡した。
すみれと呼ばれた女性は嬉しそうに頷いて優衣の手をとる。
「あなたが優衣ちゃんね〜!ちょうどご飯出来たとこなの!なんなら泊まってもいいからねっ」
「ふぇ?はっはい…?」
はっと我に返った優衣だったが時既に遅し。
気付いたときにはぐいぐいと引きづられるようにリビングへと向かっていた。
そんな優衣に階段下で交わされた男の会話など届くはずはない。
「Ryu, the man should behave oneself politely like gentleman for the woman. Still more, she is your love. You see?(女の子には紳士的に。お前の彼女だろ。わかってる?)」
「…Yes, I see. Thank you sir.(ああ。ありがとう)」