たべちゃいたいほど、恋してる。
「…あ!龍くんっ」
濡れた髪を乱暴にタオルで拭きながら白いTシャツと黒いジャージといういたってシンプルな格好で自室に入った龍之介。
すると部屋の中には、行き場を無くしたようにその場に立ち尽くす優衣の姿があった。
どうやら部屋に案内されたはいいものの、どこに座るべきなのか迷っていたらしい。
そこに部屋の主が戻り安心したのか、へにゃっと表情を崩す優衣。
(…可愛い…)
「適当に座っててよかったのに」
そう言って優衣の頭を撫でた龍之介はぼすっと本棚の近くにあるベッドに腰をおろした。
体が大きな龍之介への配慮なのかなんなのか、龍之介のベッドはダブルの大きさ。