たべちゃいたいほど、恋してる。
はっと意識を取り戻した優衣が龍之介を見上げれば、龍之介は"着替えたら行くから先下降りてろ"と優衣の頭に手を乗せた。
「あ、それとも着替え見てくか?」
左の口の端を上げ言われたその言葉。
「な、なななななな!?きがっ…見て…!?」
想像すらしたことのない光景に優衣は大きく目を見開きブンブンと勢い良く首を横に振ると、ぱたぱたという効果音をつけながら慌てて部屋を出ていく。
扉が閉まる瞬間に見えた耳まで真っ赤に染まった優衣の顔に、龍之介が喉の奥で楽しそうに笑っていたのは言うまでもない。
下から聞こえた姉の優衣を心配した悲鳴は聞こえないふりをするようだ。