たべちゃいたいほど、恋してる。



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「んじゃ行ってくる」


「あのっお邪魔しました!」




(なんとか無事)朝食を食べ終えた二人は揃って家を出る。


玄関口で挨拶すれば"また絶対来てねー!"と笑う龍之介の両親と姉。


三人の優しさに泣きそうになりながらも優衣は満面の笑みを浮かべて頷くと丁寧に頭を下げた。


それを苦笑しながら見ていた龍之介に手を引かれ、向かう先は勿論優衣の家。




「誰かいると思うか?」


「ううん。誰もいないと思う」




手を繋ぎ歩きながら交わされる会話。


予想するのは簡単だ。


昨日遊園地にいた父親が帰っていることはないだろう。




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