たべちゃいたいほど、恋してる。
そう思ったのがどうやら行動に出ていたらしい。
気付いた時には龍之介の手は優衣の頭に触れていた。
「…お前、本当噂通りなんだな」
噂通り、迷子の兎だ。
涙のせいで赤くなった瞳が更にそれを連想させる。
(つーか、ちっせぇな。自分がでけぇことは自覚してるが…にしてもこいつは小さいと思う。軽く30センチ以上差がありそうな気がするんだが)
そんなことを思いながらまじまじと優衣を見ていた龍之介。
するとふいに目の前にいる優衣の視線がすっと龍之介の横に動いた。
(直感で、だが…嫌な感じがする)
出来ることなら外れてほしい予感だが、そんな予感ほどよく当たるもので。
「…家庭科、室?」