たべちゃいたいほど、恋してる。




だが、それはすぐに龍之介が見せるような悪戯な笑みに変わった。




(あ、龍くんそっくり)




二人はこんなにも似ていただろうかと、どうでもいいことが優衣の頭を過る。


そんな優衣を気にすることなく、健はまるで内緒話でもするかのように優衣の耳元へ唇を寄せ小さく小さく囁いた。




「        」


「──!?」




健の言葉に目をこれでもかというほど見開いて驚く優衣。


そして



ガラッ



それと同時にかなりの勢いで開いた教室の扉。

振り向けば見慣れた黒髪をなびかせる目付きの悪い巨体が二人の視界に入る。




「…あ?タケ…お前部活行ったんじゃねぇの」


「本当龍って変にタイミングいいよなぁー」




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