たべちゃいたいほど、恋してる。




そのまま窓の淵に手をかけ外を眺める二人。




「…私は親友だから、ね」




視線は遠くを見つめたまま一言そう呟いて、夏希は小さく笑った。

そんな夏希につられるように緩んだ健の口元。


それは二人の同じような心境を表していて。


自然と二人、顔を見合わせて笑みを深めた。




「まぁ…見守る愛もある、ってことで」


「…同感」




それも大切な愛情だ。


どこかすっきりしたような健の声が開いた窓から風に乗って消える。

その隣で満足そうに頷いた夏希の表情は健しか知らない。




窓の外、ふわりふわりと揺れる葉は夏に向けて青さを増していた。




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