たべちゃいたいほど､恋してる｡

《昔話をしてみよう》

一方､健が居なくなった教室では




｢………｣


｢………｣




昨日晴れて正式な恋人同士になった二人とは思えない､何とも重苦しい空気が漂っていた｡


俯いたまま龍之介の姿を直視できない優衣と､優衣が何故落ち込んでいるのか理由が把握できていない龍之介｡




｢…あー…優衣?｣




そんな空気に堪えられなくなった龍之介が気まずそうにしながらも口を開く｡

その声に思わずびくっと大きく肩を揺らした優衣｡


そんな優衣の反応が気に入らなかったのだろう｡

龍之介はむっと顔を顰めると､ガタンッと音を立てて先程まで健が座っていた椅子に腰をおろした｡