たべちゃいたいほど、恋してる。
「おい、お前何でそんな機嫌悪いんだ……って、え?」
そう言葉を零し、困ったように頭を掻きながら優衣の顔を正面から覗き込んだ龍之介の動きがぴたりと止まる。
見えたのは、ぐっと力の入った眉の間と固く結ばれたさくらんぼのような色の唇。
優衣の大きな瞳からはぼろぼろとこれまた大きな涙が溢れだしていて。
昨日の夜、苦しそうに見せた表情とよく似たそれに、龍之介も焦りを隠せない。
「な、どうした!?何泣いてんだ!?」
「うぅーっ」
どう対処したらいいのかと、おろおろ視線を彷徨わせあたふたする龍之介に優衣はぎゅっと目を瞑り唸るような声を上げた。