たべちゃいたいほど、恋してる。
「あー…だからよ…俺もよくわかんねぇけど…健が言うには、俺は昔から…その…ふわふわしてて、ほっとけないような可愛い奴がタイプなんだと!……優衣みたいな」
目を閉じて、俺も言われるまで気付かなかったけどとぶっきらぼうに吐き捨てる龍之介はどこか照れているようにも見える。
ほんのり朱を帯びた頬は恥じらいのせいか。
それとも夕日が赤いせいなのか。
(…あ…)
それでも今にも触れそうな距離にある龍之介の瞳は真っ直ぐに優衣の姿を捕らえていた。
龍之介のその瞳はいつも優衣の奥の奥まで見抜いてしまいそうで。
気持ちのすべてを知られてしまいそうで。
逸らしたいのに逸らすことを許してくれない、それ。