たべちゃいたいほど、恋してる。




早く顔が見たい。その髪に触れたい。


そう思うや龍之介の足は無意識に歩みを早めて。


想いに埋めつくされすっかり先程までの嫌な予感を忘れてしまっていた。



それを思い出したのは、教室で健と二人きりでいる優衣の目に涙の跡があることに気付いたとき。


健が優衣を泣かせることは絶対に有り得ない。

それを龍之介はよく知っている。



だからこそ、先程の嫌な予感が戻ってきたのだ。


そしてそれは見事に的中。




「ばかばかばかー!!龍くんも本当は井上さんみたいなセクシーで綺麗なボンキュッボンな人がいいんだー!!どうせ…どうせあんな足長くないもんっ!あんな腰のくびれないもん!あんな色気なんかないもんー!!」




優衣から飛んできたのはまったく身に覚えのない言葉たちで。




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