たべちゃいたいほど、恋してる。
すると
「うぇぇ…ご、ごめんなさぁいー!!」
突然、叱られた子どものように声を張り上げ泣きだした優衣。
そのあまりの勢いに、龍之介は驚き目を大きく見開いて優衣を凝視した。
「ごめっごめんなさ、っ…怒ったら、嫌いんなったら、嫌だよぉ…」
そう言って優衣はカタカタと小さな体を小刻みに震わせる。
その姿に、昨夜の優衣の姿が重なって見えた。
龍之介の中に思い浮かぶ優衣の体と心の傷。それは彼女が人一倍怒りという感情と嫌われることを恐れる原因。
(…父親を連想させるからな)
自分の前で眉を寄せて泣く優衣の表情にズキンズキンと腹の奧が痛む。
まるで、優衣の痛みが移ったように。