たべちゃいたいほど、恋してる。
忘れろといったにもかかわらず指折り中身を復唱していく優衣に思わず声を荒げる龍之介。
(何なんだ、こいつは!!!!)
優衣の予想外の行動に龍之介は頭を抱える。
だが
「え、何で?こんなに美味しそうなのに…」
そんな龍之介に、もったいなーいと頬を膨らませる優衣。
(…んな顔すんなよ。本当に小動物みてぇだから)
それが理性を擽るだなど、認めたくはない。
「何でって…こんなの俺が作ったってばれたら笑われんだろ」
「…これ、大上くんが作ったの?」
(…しまった。口滑らしちまった)
優衣の問い掛けに自らの失言に気付いた龍之介だが、既に後の祭。
もう取り繕うのはかなり難しいだろう。
大事なときに詰めが甘くなる自分の頭に嘲笑しながらも、龍之介は是と返すしかなかった。