たべちゃいたいほど、恋してる。
とはいえ、どうも優衣はその言葉の意味を誤解しているようだ。
健が言った龍之介の好みというのが今の井上を指している、と。
この誤解を解かないわけにはいかなかった。
(そんな誤解、たまったもんじゃねぇ)
コツンと優衣の額に己の額を重ねる。
触れ合いそうな唇に甘い苦しさを感じながらも龍之介はゆっくり口を開いた。
「あー…だからよ…俺もよくわかんねぇけど…健が言うには、俺は昔から…その…ふわふわしててほっとけないような可愛い奴がタイプなんだと!……優衣みたいな」
俺も言われるまで気付かなかったけどと付け足しながら、顔が異常に熱くなるのを感じた龍之介。
(は、はずい…!)