たべちゃいたいほど、恋してる。




「何ていうか…ませてる中学生みたーい!」




口々に好き勝手言い合うクラスメート達に優衣は思わず肩を落とす。

そしてその中の一言が優衣の胸にグサリと深く突き刺さった。




(ちゅ、中学生…!)




聞こえてきた"中学生"という単語に、まじまじと自分のスカートを見つめる優衣。


自分ではかなり頑張った方だが、確かに言われてみればそんな気がしなくもない。


頭に残っている昨日対面した井上の姿とは雲泥の差だと優衣は思った。




(…そう言えば、前に龍くんに"ちんちくりん"って言われたような…)




それは家庭科室で初めて龍之介と会話らしい会話をした日に担がれながら言われた言葉。

今の今まで忘れていたけれど。

まさかこんな時になってずしりと落ちてくる言葉になるとは夢にも思っていなくて。




< 370 / 574 >

この作品をシェア

pagetop