たべちゃいたいほど、恋してる。
ひょいっ
龍之介は自分を睨んでいる優衣をひょいと担ぎ上げ家庭科室から出るべく足を踏み出す。
(肩の上にいる遊佐パンツがあーだこーだ言ってるが、んなもんに興味はない……と思う)
龍之介は優衣を黙らせると漸く家庭科室を出た。
寸前、傍にあったデザートを着ていたパーカーのポケットにこっそり忍ばせたのは龍之介しか知らない。
「…大上く〜ん…」
「あぁ?」
家庭科室から少し歩いたところで優衣が声を上げる。
その声があまりに不安そうで。
龍之介は普通に聞き返したつもりだったが、どうやら優衣は怒られると思ったらしく、ごめんなさいと呟くと押し黙ってしまった。
(…あぁ、俺今そんな返事まずかったか?)