たべちゃいたいほど、恋してる。
そこについこの間まで絶えることなく出来ていた真新しい傷は見られない。
ここ最近喧嘩らしい喧嘩をすることが無かったせいか、龍之介の体に新しい傷が増えることはなかった。
その理由は一つ。
(…優衣のおかげ、か)
優衣を好きだと自覚するようになった頃からだろうか。
一緒にいる時間が大切だと思い始めた頃から、龍之介は出来るだけ争いごとを避ける生活を送っている。
もともと喧嘩をするのが好きだというわけではない龍之介。
優衣を心配させないためにも、己の傷を増やすことはしたくなかった。
そして何より龍之介の傷を見ることで優衣が自身の体の痛みを思い出すことは絶対にさせたくなかったのだ。