たべちゃいたいほど、恋してる。
翔平の言葉を聞いて龍之介が考えているのはまったく別のこと。
(優衣の名前、広まってんのか…)
誰だ流したの、と思うもやはりこちらも心当たりがありすぎて見当がつかない。
日々の自分の行いを悔やむ龍之介。
(つーかなんだ、一匹狼とか、孤高とか)
知らない間に出来ていた自分の通り名に溜息が出た。
自身の名が下がるのは別に構わない。寧ろ大歓迎である。
それは周りが勝手に作り上げてきた"大上龍之介"なのであって、龍之介本人は特に興味が無いものだからだ。
弱くなったと認識されることで喧嘩が減るなら万々歳だし、喧嘩になったらなったで返り討ちにする自信も十二分にある。
しかし万が一にも優衣が襲われる可能性があるというなら話は別だ。