たべちゃいたいほど、恋してる。
優衣には指一本触れさせたくない。
それが喧嘩っぱやい野郎たちなら尚更のこと。
(…健にも気をつけて見ててもらうよう頼むしかねぇかな…)
龍之介が傍にいるときなら対処の仕様があるからまだいい。
しかし、万一龍之介がいないときに何かがあったのでは困る。
ああ見えて、龍之介同様格闘技にも長けている健(本人はあまり言いたがらない)。
喧嘩に関わることは殆どしない健だが、事情を話せば引き受けてくれるはずだ。
まぁ、龍之介は出来る限り自分で優衣の傍にいるつもりだが。
「……っておい!大上龍之介!!人の話聞いてんのかよ!?」
そこまで考え、後で健に電話しようと決めた龍之介の耳に届いた大きな喚き声。