たべちゃいたいほど、恋してる。
(…………は?何言ってんだ、こいつ)
龍之介の頭の中で繰り返される理解不能な翔平の言葉。
その言葉の意味を龍之介は把握できなくて。
まるで納得するのを拒むように動きが鈍くなっていく思考。
その後の翔平と交わした会話や自らの行動は殆ど覚えていない。
ほぼ無意識の行動だったように思う。
わかっているのは何となく二言三言話し、翔平を適当にあしらって帰路についたということだけ。
後ろで翔平が何か言っていたことも、そんなものは全く耳に入らないほど龍之介の頭は混乱していた。
それはあまりに現実味の無い言葉だったのだが、ずしりと龍之介の中に落ちて。
思った以上の影響力をもたらしたらしい。