たべちゃいたいほど、恋してる。
それはふわふわと本物のように龍之介を包む。
真偽のほどは優衣に聞いてからでいい。
そう自分に言い聞かせる龍之介。
今すぐにメールで聞いてみようかとも思った龍之介だったが、それもいまいちしっくりこなくて。
「明日、聞きゃわかるよな」
まるで自分を納得させるように呟いた一言。
それでも幾分落ち着きを取り戻せたようだ。
「…弁当の準備でもしとくか」
ふー、と長く息を吐き龍之介はベッドから起き上がる。
その険しく寄っていた眉間は幾分緩められたようで。
そのままぐっと体を伸ばすと、龍之介は静かに部屋を出てキッチンへと向かった。
余計なことを考えるのは明日にして、今は弁当を食べて喜ぶ優衣の顔だけを思い描くことにしよう。