たべちゃいたいほど、恋してる。
食事が終われば、龍之介の腕がこの時を待っていたかのように伸びてきて。
後ろから抱えるように抱き締めてくれている龍之介にこれ以上なく幸せそうな様子の優衣。
その周りにはピンクの花が飛んでいるようにすら見える。
龍之介の足の間に座る優衣は、そのままコテンと龍之介の胸に頭をあずけた。
すると当たり前のように髪を撫でてくれる大きな手のひらと、そっと頬に落ちてくる柔らかな感触。
恥ずかしさは十二分にあるものの、それ以上に感じる嬉しさには到底適わない。
「あ、そうだ」
陽だまりの下、学校の喧騒から離れゆったりのんびりとした時間を過ごしていた二人。
そんななか、龍之介がふと思い出したように口を開いた。
それと同時に動きの止まった手のひら。
不思議に思い優衣が顔を上げれば、珍しく言葉を濁している龍之介。