たべちゃいたいほど、恋してる。
優衣が求めているのは、食べたいのはこの味ではないのだ。
優衣が欲しいのは、龍之介の作る龍之介と同じように優しくて甘い食事。
「仲直り…出来なかったや」
どうにか龍之介と仲直りしたいと作ってきた弁当。
昨日の出来事は自分が悪かったのだと優衣は思う。
龍之介は言っていてくれていた。
自分の言葉だけ信じていろと。
健も不安なら龍之介に聞けと、答えてくれるからと言っていたのに。
それなのに他の人の言葉に煽られ龍之介を避けてしまった。
それどころかまともに言い訳さえ出来なかった。
龍之介が怒るのも当たり前だと昨夜心底落ち込んだ優衣。
だからこそ今日は自分の作った弁当を持って龍之介と話をするつもりだったのだ。