たべちゃいたいほど、恋してる。




しかし、それを許す百合ではない。



ドカッ




「ってぇ!?」




見事に龍之介の脇腹にヒットした百合の蹴り。

その衝撃に龍之介の口からも思わず声が出た。


龍之介よりも小さく華奢な体つきに見える百合だが、その力は伊達ではない。


実際その体には無駄な脂肪は一切ついておらず、綺麗に鍛えぬかれている。


怪我をしているとはいえ、その強さに龍之介ですら一瞬動きが止まってしまった。

さすがは龍之介の姉。




(こんなんが女とか、ありえねぇだろ。何処に女らしさ落としてきたんだよ。優衣とは全然違…)




ふと過った考えに龍之介の眉間にしわが寄った。


姉からの攻撃に身悶えながらも体も思考も全てを支配するのは優衣のことばかりで。




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