たべちゃいたいほど、恋してる。




恥ずかしそうに頬を桃色に染め、ぎゅっと小さな力でそれでも精一杯に抱きついて、ふわっと花が咲いたように笑う優衣。


考えれば考えるほど龍之介の胸の奥はきゅうっと詰まり、泣きたい気分になる。


それは後悔よりもずっと強い恋心。


龍之介は蹴られた痛みよりも強いその苦しさにきつく眉を寄せた。




「別にさ、あんたが怪我しようが留年しようが私はそんなのどうでもいいんだけどね。でも、あんたが傷付いたら優衣ちゃんは悲しむんじゃないの?」




交差する想いを抱えながらベッドの上で蹲る龍之介に降ってきた百合の言葉。

聞こえてきた"優衣"の名前に思わず顔を上げる。


ベッドの前で腕を組み仁王立ちしている百合は、まるで全てお見通しのようで。


居心地の悪さを感じた龍之介はさっと百合から視線を逸らす。




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