たべちゃいたいほど、恋してる。




「最近、会ってないんでしょ?」




あんたずーっと機嫌悪いもんねぇ、と呆れたように溜息を吐く百合。

救急箱から湿布と包帯、傷薬などを取り出すとそのまま龍之介の隣に座り傷の手当てをしていく。


手早く行われるその動作は、百合がこういった状況に慣れていることを物語っていて。


百合の言葉にばつが悪くなった龍之介は、顔を背け口を閉ざしたまま。

返す言葉は見つからない。



すると傷を覆うように二の腕に巻かれた包帯がきつく、ありえないほどきつく締められた。


それは一瞬息が止まるんじゃないかと思うほどの強さ。




「いいいいいってぇぇえ!?」


「お姉様の言葉を無視するとはいい度胸してるじゃない」




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