たべちゃいたいほど、恋してる。
龍之介の中にあるプライドが素直な気持ちを邪魔する。
事情を知るはずのない百合から"お前が悪い"と自信たっぷりに言われた龍之介は顔を上げて百合を睨みつけた。
もちろんその程度で臆する百合ではないのだが。
「何で、俺が悪いって、言い切れんだよ」
自分の睨みも紡いだ言葉も通用しない。
そうわかっていても睨まずにはいられなくて。
そんな龍之介に百合は今日一番の盛大な溜息を吐く。
あまりに大きく吐かれたその溜息にまた龍之介の眉間にしわが寄ったが、言葉に出すことはなかった。
それよりも今は百合から返ってくる答えが気になる。
「そんなの、あんたがあからさまに"後悔してます"って顔してるからに決まってんでしょ」