たべちゃいたいほど、恋してる。
嫉妬に駆られた結果がこれだ、と嘲笑しか出てこない。
(…馬鹿か、俺は)
毎日繰り返し自分自身に問うのはその言葉だけ。
ちゃんと話せばよかったと後悔ばかりが募る。
この数日間、百合はそんな龍之介の姿をよく見ていたらしい。
それに気付くや、龍之介の口からは優衣との間に起こった出来事が言葉になってぽつりぽつりと溢れだした。
いらぬ情報を男から聞いたこと。
優衣が突然自分を避け始めたこと。
感情が高ぶってその理由を聞いてやることが出来なかったこと。
そして優衣に向けてしまった暴言のこと。
一つ話すたびにだんだんと震えていく龍之介の声。
言葉足らずなうえ断片的な説明だけの話だったが、百合は黙って龍之介の話を聞き続けた。